ゴミの選別・仕分けは、汚部屋をキレイにするうえで避けては通れない壁であり、最大の難所といっても過言ではありません。
必要なのか要らないのか、ゴミなのかゴミじゃないのか、といった基本的な選別が必要な荷物が部屋いっぱいに混然としている場合、選ぶ作業だけでほとんどの労力を費やしてしまいます。
特に、床が見えないほどに物が多い場合は、途中で挫折しないよう工夫が必要。どのように選択作業を進めるべきなのか、わたしの経験も交えながら解説していきましょう。
汚い部屋の掃除は、勢いに任せて一気にガーッと片付けるのがポイント!と考えがちですが、実は間違い。自力ですべてやり遂げようと思うなら、最初から焦ってがんばりすぎると、途中で確実に挫折します。
一度挫折してしまうと、重い腰が二度と上がらなくなってしまうのは目に見えています。わたしも経験していますから、痛いほどよくわかります。
そこで、片付けのハードルを下げ、いつも自分が生活しているスペースをちょっとずつ広げていくことから始めます。
自分が座っている場所から手の届くところにある物を、まずはひと山、崩してみましょう。それが終わったら隣の山、次は隣…と進めていくうちに、いつの間にか床が見えるようになり、自分の座る場所が広くなっていきます。
間違っても、「今日一日で部屋全体のゴミを外に出そう」、などと考えてはいけません。1回の片付けのハードルは低めに、ただし毎日継続することが重要なのです。
部屋全体に散乱しているものを上手に仕分けする基準は3段階あると私は考えます。
カップラーメンのゴミやペットボトルは当然ゴミとして捨てるもの、積み重なっている洋服、書類、日用品などは、ふだん使っているものは残す、ここ半年以上使っていないものは捨てる、という基準で、“捨てる”“捨てない”の選別をしました。
残しておくもの、と分類されたものの中から、この場所へ置いてよいものなのかどうか、を検討します。キッチン用品や洗面用品は、リビングに置かず、それぞれの持ち場へ移動させるだけでなんだかスッキリしてきたように感じます。
毎日必ず使うものであれば出しておいて構いませんが、1週間に1回程度使うものなら、どこかに収納したほうが片付きます。物の使用頻度によって、出しっぱなしでOKのものと、取り出しやすい場所にしまうもの、ちょっと奥の方へしまうもの、というように仕分けしました。
部屋全体に物があると、どれが片付けたものか、片付けていないものなのかも、わからなくなってしまいます。いま仕分けしている対象物を明確にするために、段ボール箱を複数用意して作業しましょう。
まずは箱をふたつ用意して、残すもの、捨てるものに分けます。箱がいっぱいになったら捨てるものはゴミ袋に入れて玄関へ。残すものの中から、キッチンなど別の場所へ移動させるものを空いた箱へ移します。
場所ごとに箱を分けたいなら、もっとたくさん段ボールを用意してもいいですね。
仕分けしたら、本来の目的地へ物を移動させます。さらに残ったものを、出しておくべきか収納すべきかで仕分けし、収納先を考える…という順番で、仕分け作業を進めていきます。
ただしこの方法、捨てるものと残すものの選択と、場所移動の選択までは比較的すんなり進むのですが、それ以降になると、作業がなかなか進まなくなります。
収納先を考えるところがかなり難しいので、挫折しやすいポイントだと言えます。
汚部屋を普通の状態にまで片付けるのは、並大抵の作業ではありません。本来あまり片付けが得意ではないから汚部屋になってしまったわけで、そんな人が自力で高度な片付け作業を継続してできるとは、考えられませんよね…。
わたし自身の経験では、部屋の半分くらいまで、捨てるものと捨てないものの選別ができたのですが、収納先がないまま、あふれた日用品がそのままになってしまい、あえなく挫折してしまいました。
ですから、自分ひとりですべてを片付けようとせず、できるところまで努力したら、誰かの助けを借りる、という方法も検討してみましょう。
幸い、汚部屋の片付けに慣れている専門業者は数多くありますから、そんな業者に相談して選別作業から手伝ってもらうのが、汚部屋脱出へ効率よく近づく方法なのかもしれません。